私にとっての起業 ~これまでとこれから~  タイガーモブ株式会社 菊地恵理子CEO


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学生から社会人向けにアジア、アフリカ、南米など新興国へ長期インターンシップを提供するタイガーモブ。現在、世界35ヶ国、約260件のインターシップ案件を展開し、そのアグレッシブでチャレンジングな事業が数々の表彰を受けるなど今注目を浴びるベンチャー企業のひとつです。

創業者の菊地恵理子氏は三重県四日市市出身の30歳。大学在学中、1年間休学して中国へ留学(インターンも含む)。その間、韓国、中国、東南アジアをバックパッカーとして一人旅した経験を持ちます。卒業後、人材系ベンチャーへ入社し、2016年4月起業。

社長自身が単独で海外に売り込み、インターシップを提供する事業をスタートしたそのパワーの秘密はどこにあるのでしょうか?

熱くパワフルなトークで会場を熱気の渦に巻き込んだ菊地氏の講演内容を一部ご紹介します!!(2019年2月開催「ウーマン起業塾よっかいち2018」講演から)

野生ジャガーを捕獲!珍獣大好き!

タイガーモブCEOの菊地恵理子氏は1988年、三重県四日市市の街中にある老舗料亭の3人兄弟の末っ子として生まれました。あだ名は「お菊」。一見、ごく普通のどこにでもいる女性に見えるのですが・・・実は大の珍獣好きだそう。

「アマゾンで人食いナマズを抱っこしてきました」「東南アジアでは野生ジャガーを捕獲」「ピラニアは美味しい!」

等々、数々の武勇伝(?)を披露。さらにタイガーモブを創業した年に「付き合っていない人からプロポーズされて4日後に入籍しました!」「迷っている暇なんかない!Just do it!がモットー」と豪語する姿はまさに、聴衆の度肝を抜くパンク・ロッカーのよう。…と思ったら「高校生時代はパンクバンドでドラムやってました!」というからなるほど!納得です。

四日市祭りに熱中した子ども時代。一念発起して中国留学へ

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「小中学時代は和太鼓チームに所属していて、四日市祭りに熱中していました。高校ではパンク系のロックバンドでドラムをやっていたことも。大学に入ると、ぬるま湯的な生活に疑問を感じて・・・“このままじゃいけない”と2年生の時に一念発起。中国語を喋れる兄の影響をうけて中国留学を決意しました」

しかし、はじめは中国に対して「汚い」「怖い」と先入観をもっていたためストレスを抱えることに・・・

「でも、中国人から見たら私のほうが“常識外れ”と思うようになったら急に楽になりました。ある時、路上でツバをペッと吐きかけられても、“面白い!”と思えるようになったくらい(笑)」

このような体験は、上海の5つ星ホテルでインターンシップを経験した時も活かされます。

「インターン初日、通された部屋で待つように言われて。でも2時間待っても誰も来ない(笑)。その時、“仕事は与えられるもの”ではなく、“自分から取りにいくもの”だと気づきました」

自分の価値基準だけで判断するのではなく、現地の価値基準で物事を判断するように思考回路を素早く切り替えられるかどうかは世界で通用する人間に必須スキルのようです。

起業への挑戦。人生でこんな楽しいことがあったんだ

卒業後は人材ベンチャーへ就職。周りの大学仲間がまだ研修をしている最中、新人時代から一番大きい営業目標を課せられるなどビジネスの最前線に立たされます。

「社外同期の友人たちがくすぶっている中、新しい事業部を立ち上げ、自ら企画、ロゴやサイトの提案、営業をして、とても充実していて最高だと当時は思っていました」

が、その思いは間もなく覆されることに…

「当時“いけいけ”と言われた求人ベンチャーやクラウドソーシングベンチャー、今をときめく起業家の話を聞いて、スピード、規模すべてにおいて純粋にカッコいい!と感じました。自分はまだまだで、“カッコよさ”が桁違いだと悟ったんです。自分の最高は“枠の中”にすぎなかった。そこから会社員を続けるか、独立するか?葛藤するようになりました」

しかし、会社をつくるとなると全て自分で決めないといけない、全て把握しないといけない…と一人で抱えこみすぎて不安になり、がんじがらめになった時期もあったそう。それでも起業する決意をした理由とは?

「ある人から“菊ちゃんは菊ちゃんのままでいい。強がらないで、できないことはできないと言えばいい”と。そして何より“どうしても腹の底からやりたい”と思ったから」と、2016年4月タイガーモブを創業。

「起業してみて“人生でこんな楽しいことってあったんだ”と発見しました。めちゃくちゃ楽しい。オフィスに机や椅子をはこんで、名刺を用意して・・・そんな当たり前だと思っていたことが当たり前じゃない。すべてに“感謝”しかないです」

1,600名の海外インターンシップを実現。グローバル時代に適合する次世代リーダーを輩出する

現在、タイガーモブでは短期のインターンシップではなく、2週間~1年間の長期インターシップで累計約1,600名を世界各国へ派遣。学生から社会人、定年退職した世代まで幅広い参加者がいるそうです。

「せっかく海外へインターンシップに行くのだから実践経験をたくさん積んでほしい。派遣先は伸びている新興国が中心です。市場が伸びているので事業も伸びやすい。成長を実感できるからです」

「例えば、インドでインド人100人に英語で広告営業するとか、ベトナム人社長とローカル向けサービスを立ち上げるなど、アウェイな環境で成果を出すのはそう簡単ではありませんが、だからこそ貴重な経験ができるインターン案件がたくさんあります」

同社の営業方法も実に独創的でユニークです。

「バックパックを背負って現地を一人旅で営業する。もともと自分がバックパッカーだったから思いついただけなんですが。とにかく現地に着いたらフリーペーパーを入手して面白そうな企業をリストアップ。そして、メールで『今こういう事情で近くに来ているので会っていただけませんか?』と交渉します。お会いした方から、また更にオススメの方をご紹介いただき、短期間で出来るだけたくさんの方にお会いしていきます。出来るだけウェブでは得られない現地ならではの情報をお聞きし、面白い!と皆さんが感じて頂けるようなインターン先を次々と開拓していきました。またフェイスブックによる情報発信も活用しました。本当に地道な努力と、皆さまのご協力のお陰によって、100件を超えた辺りから企業様からお問い合わせを頂くようになってくるから不思議です。いまはプッシュ型ではなく、プル型でインターン先を開拓出来るようになりました。」

「エネルギーは原体験から生み出される」

地道な営業とはいえ、日本の言葉も常識も通じない海外で女性一人での開拓営業は本当にハードだったことでしょう。そのパワーの源はどこからくるのでしょうか?

「私にとってエネルギーの源泉は、子どものころ熱中した四日市祭りです。お祭りと聞くとなんだかワクワクして高揚感が湧いてきます。見ず知らず人とも不思議と一体感がもてる、つながることができる、様々なシナジーが生まれる場所。私はそんなお祭り(=会社、プロジェクト)感のある、エネルギーが爆発するような“コミュニティや場”を作りたいというのが起業の根底にあります」

また、いまはどこの企業に勤めているか?何年のキャリアがあるかより、何をしている人なのか?何を考えているか?という個人の面白さ(ユニーク)の方がクローズアップされる”個人最強時代”だと菊地氏は説きます。

「それぞれがもつ『最高価値(*注)』を活かす会社や組織がこれからは伸びる。個・組織は共感して結束する時代。だからこそ、私たちは個をもっと強くするような経験を提供していきたいですし、『自分はこれだ!』と思える分野で活躍する人・輝く人を増やしていきたいです」

*注)最高価値=コア、熱中すること、やり続けてしまうこと、報酬がなくても苦ではないこと

行動することでしか人は変わらない。だから枠を超えて挑戦し続けたい

 「THINK → ACTION」

菊地氏は「ガンジーの言葉に『人間は思考の産物にすぎない』『人は思っている通りになる』というものがあります。結局、人間は考えている範囲内でしか動いていない。行動すれば思考の幅は広がり、より人生が豊かになるのではないか?ということを伝えたいです」

「リクルート創業者である江副氏の言葉を借りるなら、『自ら機会をつくり、その機会によって自らを変えよ』です。起業というものは“やるかやらないか?”どちらかを選ぶだけに過ぎない。だったら『えいや』と飛び込んでほしい。覚悟を決めて飛び出したら案外、うまくいくもの」

「そしてカオスを愛する。するとすべてが一変して楽しくなる。イヤなこと、辛いことが私は案外好きです。泣いている姿を写真に撮っておくとか(笑)それも後から笑い話になるもの」

菊地氏は、あるお世話になっている人からこんなメッセージをもらったという。その一部を要約すると・・・

挑戦すること自体に意味がある

それも仲間と一緒に

この宇宙も集積・分散を重ねながら拡大している

だから私たちもつねに仲間と拡大(挑戦)しつづけるのかな

挑戦する人は無条件で美しい

「私たちもそういうサービスを提供していきたいし、そうでなければ価値がない。だから、私たち自身も様々なことに挑戦し続けたいと願っています」

「この講演を聞いた方が、頭の中で考えていることを行動にしてもらえたら。少しでもアクションにつながる機会になれば嬉しいです」

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今回、菊地氏は四日市市商工会議所が主催する女性起業家向けセミナー「ウーマン起業塾よっかいち2018」の成果である、公開プレゼンテーションの場に特別講師として招聘されました。これから起業しようとしている女性起業家たちにとって、菊地氏の「自分の枠を外す」という言葉は大いに示唆に富んだものとなったでしょう。また、今後、三重や地方から日本全国へ、世界へ飛び出したいと願う若者たちにとって、きっと勇気を与える存在になることは間違いありません。四日市で生まれ育ち、祭りの原体験をパワーの源にして日本だけでなく世界へ羽ばたくタイガーモブと菊地氏の今後の活躍に期待されます!

貴重な時間をありがとうございました!

<菊池恵理子氏プロフィール>

タイガーモブ株式会社CEO
URL:https://www.tigermov.com/

三重県四日市市生まれ。関西学院大学総合政策学部、寿司アカデミー、Lee Kuan Yew School of Public Policy ”ASEAN地政学プログラム”卒。在学中は中国、蘇州大学へ半年間留学し、その後上海外資系5つ星ホテルにて通訳・翻訳・VIP対応として半年間インターンシップを経験。また、韓国~中国~東南アジアをバックパッカーとして、3ヶ月で8カ国を周る一人旅kikutripを実施。世界中の人々のモットーを集める。 新卒で株式会社ジョブウェブへ入社、採用コンサルタントとして営業を担当。2年目で国際事業開発部を起ち上げ海外インターン事業「AJITORA」を始動。約600名の海外送り出し実績を経て、独立。タイガーモブ株式会社を立ち上げる。日本から世界、世界から日本の動きを活性化する為、海外バックパッカー営業等で世界中を飛び周っている。

・全国商工会議所女性会連合会主催 2017年女性起業家大賞スタートアップ部門特別賞受賞
・内閣府主催 「つなぐ、架け橋~アジア・太平洋で活躍する女性起業家たち」選出
・EY新日本監査法人主催 EY Winning Women2018ファイナリスト選出

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