「好き」を突き詰め、輝くような仕事をしよう!株式会社たまや


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株式会社たまや(四日市市)
創業者 安保 尚雅さん(48歳)
株式会社たまや公式サイト

 スノーボード界のパイオニア〈BURTON(バートン)〉、ファッション界を牽引する〈COMME des GARÇONS(コムデギャルソン)〉、革新的アウトドアブランド〈ARC’TERYX(アークテリクス)〉etc.そんな知る人ぞ知るビッグネームから、地方で個人が営んでいる小さなガレージブランドまで、今もっとも「熱い」アイテムをいち早く店頭で手に取って確かめられると評判の『株式会社たまや』。

三重県四日市市にありながら、週末になると関西や東海各地から多くの県外ナンバーが集まり、店内は買物客で賑わっています。

「ニッチ(隙間/くぼみ)」をキーワードに事業を展開する代表取締役・安保さんはサラリーマン時代にショップを立ち上げ、現在に至るのだそう。「大好きなことを仕事にする」醍醐味を、安保社長に聞いてきました。

 

「好きなんですけどダメですか?」で道は拓ける!

tamaya2「普通科の高校を卒業して『大好きなバドミントンで就職しよう』とスポーツ実業団のある地元企業に就職しました。当時から生涯を会社に捧げようとは全く思っていませんでしたね。そんな中でスノーボードと出会いまして……」。

安保社長はそう振り返ります。当時はスノーボードが流行する夜明け前。休日の趣味としてスノーボードを楽しんでいるうちに、やがて雪を求めてヨーロッパや南半球を渡り歩くほどのめりこんだそう。ほどなくして「スノーボードを商売にしよう!」と決断しました。

「というか、商売にできるといったら、それくらいしかできないかなと(笑)。まず、今の奥さん名義でショップを開店し、彼女に店番をやってもらいながら1年間僕も店頭に立ったんです。会社のフレックス制度を上手く活用して、夕方には退勤し、お店に駆けつける日々。それで、その年に仕入れたボード30本が全て売れたんですよ。僕はすっかり手応えを感じて、退職の意思を固めました」。

ある日、一人の会社員が米国の一大スノーボードブランド〈BURTON〉と契約を結び販売店になる。それはとても困難なことのように見えますが、安保社長は「そんなに大変なことかな…」と首をかしげていました。

「僕は〈BURTON〉が好きで、一番気持ち良く滑れる道具と思っています。〈BURTON〉のスタッフやジェイク(BURTON創業者)とは北海道で何度か一緒に滑ったことがあるんですよ。横ノリ系の文化はボーダーレスの文化。僕はカタコトの英語で一所懸命、彼らと色んな話をしました」。

当時の縁が今に繋がり、2015年には〈BURTON〉と地元の伝統産業・伊勢型紙をコラボさせた『たまや』オリジナルのアイテムを発表しました。ちなみに当時、貿易の知識はサッパリなかったそうで、英語力についてたずねてみると、これまた驚きの答えが。

「NHKの3分英会話は聴いてますよ。今も昔も、それだけです。企画書? そんなことよりカタコトの英語力でも会いに行く方が大切だと思います」。

 

商品を「編集」する。そのためにフィールドへ。

『たまや』の各店舗は「セレクトショップ」という販売スタイル。8店それぞれの店長が、どのアイテムを販売するか決め、仕入れをします。仕入れた以上は売らなければなりません。つまり、売れる商品を仕入れるには、時代の風を読む感性が求められるのです。

tamaya3「スタッフ達はよく、それぞれのフィールド(山・街)へ出かけていますよ。遊びの現場に行かないと、ユーザーの声は聞こえてきませんからね。また、素晴らしいアイテムの作り手さんはフィールドで実際に使いながらテストを繰り返し、製品化しています。中には企業に所属せず、個人で製品づくりをしてる人も。そういう素晴らしい作り手さんがいること、埋もれた良品があることは、やっぱり遊んでないとわからない。僕も遊びに出かけるのが大好き(笑)」。

取り扱う商品は「2対6対2」という物差しで決めるのがルール。つまり2割は絶対に売れる安定的なもの、6割は収益を見込んでビジネスするもの、2割は例え売れなくても構わないから情熱と信念あるもの。その根底には企業理念があります。

・サブカルチャーにフォーカスして事業を展開します。
・特に、次世代(若者)の役に立てる企業でありたいと思います。
・価値、品質、価格のバランスが取れた商品を販売します。

「有り難いことに、僕のことが好きになって働きに来ようとしてくれる人もいるのですが、今は企業理念に考え方が合うと言ってくれる人を大切にしています」。

 

次世代(若者)の役に立てる企業でありたい

企業理念の一つ「特に、次世代(若者)の役に立てる企業でありたい」という思いから、『たまや』では現在いくつかのプロジェクトが動いています。一つ目は学生インターンの受け入れ、二つ目は地元高校とタイアップしたオリジナル商品づくり。それには若い人が活き活きと仕事できる場を提供したいという思いと、若い人に地元の面白さに気づいて欲しいという、二つの願いが込められています。

tamaya4「若い彼ら&彼女達と会って話すと、やっぱり安定・安心志向を感じます。大企業でずっと安定できるなら、それで良いと思うんですよ? でもニュースで大企業の不祥事や不振のニュースを見ていると、ずっと安定し続けるって難しいと思うんです。都会の大企業で牛の尻尾のような仕事をするか、我々のようなベンチャーで輝くような仕事をするか……。どこに所属しても未来はわからないのなら、挑戦しようよ、って呼びかけています」。

遊びを仕事にして生活することは面白いですか?という問いには「いや面白いだけでは語れない」と眉間にしわを寄せた安保社長。開業から15年で8店舗を展開、傍目には順風満帆に見えても、そこにはさまざまな困難があったことを感じさせます。

「それでも、命を賭けるだけの価値はある。そう伝えたいですね」。

若いスタッフを正社員として採用する際には、安保社長自らがその両親の元へ挨拶に出向いたり、手紙を書いたりするのだそう。また育休に入ったスタッフには、復帰後しばらく在宅ワークを提案することも。大企業の安心とは一味違う、中小企業ならではの「心ある安心感」が『たまや』にはありました。


スタッフの声

スポーツ事業部統括 飯田崇士さん(36歳・入社15年)
柔軟に挑戦させてもらえると実感。
tamaya5「製造系の会社を退職後、半年間だけ好きなスノーボードの世界で働いてみたいと思い『たまや』のスノーボードショップ『A-BONY』に入ったのがキッカケです。お客さんにアドバイスさせていただき、自分が勧める商品を買っていただき、その感想をいただく。自分たちはお客さんの楽しいレジャーの時間を預かっている、と思うと背筋が伸びました。新しいギアが発売になるニュースを見ると『あ、あのお客さんに伝えなきゃ』と思い始めると……、やっぱり半年で辞めるなんて勿体なくなり、今に至ります(笑)。来季のお客さんを見たいし、大好きな物が売れるのを見届けたい。冬山登りという新しい趣味も、お客さんに教えて貰いました。やっぱり楽しいですよ。あと、会社の体質として、熱意があれば色んなことに挑戦させてもらえる、という所も働きやすさの一つです」。

 

アパレル事業部統括 八尾聡さん(34歳・入社4年)
組織として伸びしろがあると感じる。

tamaya6「ファストファッションの大手製造販売業で、6年間店長職をしていました。転勤続きで6年の間に近畿エリアを10回引っ越しするような、そんな慌ただしい暮らしでしたね。元々その企業に就職したのも、今『たまや』に居るのも、いつか自分の洋服店を持ちたくて、勉強したかったから。けれど今や『たまや』が面白くて、少しずつその夢が揺らいでいます(笑)。魅力の一つが、経営者の言葉や経営の話を超間近で聞けるところ! これは大企業ではなかなか叶いません。それから大企業のスタッフは足並みを揃えることを求められますが、『たまや』のスタッフは個性派ぞろい。そんな面々が知恵を集めて挑戦できることに面白さを感じるとともに、大企業よりも企業として伸びしろがあると感じます。妻と子が言うには、僕が転職したことによって『険が取れた』らしいですよ(笑)」。

▼▼株式会社たまやさんの採用情報は下記から▼▼

2015/11現在

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